君、花海棠の紅にあらず|第13話・14話・15話・16話のあらすじ

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『君、花海棠の紅にあらず』のあらすじ第13話~第16話(全49話)

『君、花海棠の紅にあらず』第13話~第16話までのあらすじとネタバレです。

今回から新たに登場する人物

二親分:匪賊·グーの弟
古大犁グーダーリー:匪賊·古親分の娘

第13話 不器用な感謝

水雲楼は姜家率いる隆春班に役者を引き抜かれ、新演目の上演が危うくなる。商細蕊は他の一座に代役を頼みに行くが、姜栄寿を恐れ、受け入れてくれる一座はなかった。窮地に立たされても程鳳台を頼ろうとはしない商細蕊だったが、程鳳台は水雲楼のために精力的に動いていた。一方、程鳳台の商いを妨害する動きが少しずつ露呈し始め…。

水雲楼から古株を引き抜き、新演目についても聞き出せたと知って、気をよくした姜栄寿。商細蕊は年貢の納め時だと笑いが止まらない。

一方の水雲楼は、対決前の大切な時に役者を引き抜かれ、窮地に立たされていた。契約なんか守らなくてもいいと大聖は言うが、座長は契約書にある”違約金を払えば自由の身”という約束は守るつもりだ。融通が利かないと無駄口をたたく大聖に、人を借りてこいと座長が指示する。

細蕊は役者を探し回るが、北平に役者を貸す一座はいない。対決でどちらが勝っても姜栄寿に嫌がらせをされるから関わりたくないのだ。姜会長に頭を下げさえすれば、同じ流派の大師匠だから1年も休ませないはずだと諭されるだけだった。

細蕊は悔やんでいた。先代が決めた掟も守れず、内輪から盗人が出たうえ、二旦那の契約もうまくいかず、敵に寝返るやつまで出た。掟は前からあったが、みんな無視していただけで、心がまとまってないと小来が忠告する。まとまりか…と座長。

楽屋で細蕊が化粧しているところへ支配人がいい知らせを持ってくる。”趙飛燕”の問い合わせが殺到し、券も大半が売れたという。対決は勝てるだろうと喜ぶ支配人。十九は二旦那に詫びて相談するべきだと訴えるが、座長は、梨園では商のやりかたは通用しないと反論。細蕊は鳳台の指輪を取り出すが、小来は取り上げて箱に戻す。

水雲楼に戻ると鳳台の姿があった。役者を連れて来たのだ。細蕊に腕前を見てから決めてほしいと任せる。細蕊は、有名な先生方が来てくれて光栄で、一座も活気づくと喜ぶ。鳳台が助けてくれたのにお礼も言わない座長を十九がとがめる。

商会の鄭会長は、烙子嶺で匪賊に略奪された時の状況を尋ねる。頭目には吃音があることから、グー親分の弟の可能性が浮上。弟は気弱そうに見えるが野心があるという。掟を守らず、1か月に2回も略奪している。品を奪い返すにも相手は匪賊で歯が立たないので、会長は品を届けるよう指示する。

品が届いたと喜ぶ匪賊の手下。そこへ親分が戻ってきて、略奪のしすぎを注意する。略奪なんてしていないとシラを切る弟に、略奪は商号1つあたり月1回だけと再確認し、おとなしく獲物を待てと指示する。親分が出ていくと、品の中に北平商会の鄭会長からの手紙が入っていたと手下が教える。

馬番頭が烙子嶺の近況を報告する。商会の連中は儲かっていないようで、烙子嶺を通るたびに品を奪っているという。最近は回数が増え、何か裏がありそうだ。烙子嶺のグー親分のことを知っている鳳台は、親分らしくないやり方だと見る。親分は目先の欲にかられないので、弟の仕業かと推測する。

その後、鳳台は細蕊を車に誘い、妻・范湘児のお詫びをする。細蕊はたとえ奥様に毎日罵られても二旦那とは仲たがいしたくなかった。水雲楼に行ってもいいかと鳳台に聞かれ、大歓迎だと答える。翌日の稽古は厳しいものになった。朝から厳しい練習を目の当たりにした鳳台は、代わりに細蕊の腕前を披露するよう要望する。手本を見せる座長。纏足を履き、歩き方のコツを教える。座長の手本に拍手喝采を送る鳳台と座員たち。

鳳台に炸醤麺をごちそうする細蕊。店員が席へ案内すると、周りの客に商先生だと気づかれて囲まれてしまう。一節聞かせてとお願いされるが、聞きたければ劇場に来てと答える。今は新しい演目の準備中で、始まったら見に来るよう宣伝するのも忘れない。客の耳に対決の話は届いており、陳紉香がやる演目は閻婆惜で、仙人歩法を取り入れた点がすごいと客が言う。歩き方の妙技なら自分にもあると細蕊が口を開く。技の名は玄女歩法だと発表し、周りの客に玄女歩法は商細蕊の秘技だと宣伝するよう頼む。

寧九郎と斉王を訪ねた鈕白分。姜会長のやり方に鈕さんは不満を漏らすが、寧九郎は役者たちが技に磨きをかければ客もいい演技が見られると言う。玄女歩法を編み出した商細蕊は、商菊貞の実子ではないが素質は親よりあるようだと評価する。初日が9日と聞いて、それは縁起がいいと喜ぶ。皆で初めて宮廷に上がった日だった。

水雲楼では、京胡の演奏にあわせて、キジの尾を手にした細蕊が舞いを披露していた。素晴らしい舞いに拍手を送る鳳台と座員一同。杜洛城が太鼓を運び込む。あまりの大きさに驚く鳳台。太鼓の上で寝そべりながら、玄女の舞いの練習の後、前後の部分を見直そうと細蕊がつぶやく。

第14話 開祖の降臨

九天玄女の再来と言われる商細蕊、秘伝の絶技を再現する陳紉香。ついに対決の日を迎え、劇場には観客が押し寄せる。姜栄寿は商細蕊の負けを見届けるため、水雲楼側に来ていたが、趙飛燕の舞を観て青ざめる。そんな中、トンネル修繕の現場にいる范漣が匪賊に誘拐される。交換条件を見た程鳳台は、提携しているはずの絡子嶺に異変を感じる。

対決に向けて熱心に稽古する水雲楼一座。対する陳紉香も、姜栄寿から秘技の仙人歩法を伝授されている。互いに厳しい稽古が続く。

ついに対決の日。券はすぐに売り切れ、劇場の外には客が殺到している。程鳳台が商細蕊を訪ねると、黙想中だった。梨園の先達も開演前に黙想はするが、これほど深い瞑想に入る例はない。鳳台は、商細蕊の一挙一動を撮影機で記録する機会を逃したと残念がる。

一方の陳紉香は、開演前にも関わらず、まだ歩行の練習をしていた。昼夜練習してきたのに、まだしっくりこない様子。叔父は利用するときだけ稽古をつけると不満を漏らす。陳紉香は商細蕊を恐れているが、きっと商細蕊も直伝の技を恐れていると自分に言い聞かせる。

商細蕊はまだ黙想している。杜洛城が急ぐよう呼びにくるが黙想中だと小来が止める。新演目を披露する時間が来たと聞き、”趙飛燕”になると飛び起きる。座員が見守る中、颯爽と出ていく座長。それに続く座員たち。これほど奮い立った水雲楼を見るのは杜洛城も初めてだ。

次々と席が埋まり、ヤーホン劇場の外には列ができている。そこへ会長・姜栄寿が現れる。商細蕊が仙人歩法とどう戦うか見届けに来たのだ。だが、これは細蕊を疎んでると文句を言わせないためのパフォーマンスだ。フイピン劇場で陳紉香の舞台が始まる。スモークが焚かれ、俗界を離れた神秘的な世界へと誘う。仙人歩法を披露した陳紉香は客から拍手喝采を浴びる。

大きな太鼓が出てくると観客が身を乗り出す。商細蕊が太鼓に飛び乗る。その手にはキジの尾。軽やかに回転し、華麗に舞う商細蕊に客は大喜び。スタンディングオベーションが起こる。趙飛燕の見事な舞を目にし、悔し気に立ち去る姜栄寿たち。杜洛城は開祖が降臨したと感服する。

程鳳台が舞台裏へ行くと、まるで魂が抜けたように細蕊が座っていた。脚の力が抜けて立てない商細蕊は、趙飛燕が体に移り、魂まで奪ったと言う。勝負に勝ち、今夜を境に生まれ変わった細蕊は、カーテンコールで大喝采を浴びる。ヤーホン劇場の外の客も拍手喝采を送っていた。老弦人も脱帽だと満足して立ち去る。

その頃、范漣が誘拐されて脅迫状が届いたと知らせが入る。交換条件に5000発の弾と銃1000丁とあるが、問題を起こしてばかりの范漣にそれほどの価値があるとは思っていない鳳台。雷さんが無事なら范漣だけのために渡すのは惜しいとすら考えている。鳳台は絡子嶺に異変が起きると懸念を抱く。

陳紉香の姿が水雲楼にあった。対決に負けた陳紉香は髪を剃るはめになったのだ。ああだこうだ言って先延ばしにしようとする紉香は、金で手を打とうと商細蕊に持ちかけるが、今は金に困っておらず刺激が足りないと、押さえつけられてしまう。頭を剃られ、水雲楼一座にからかわれる陳紉香。叔父のせいで面目も髪も失ったと嘆く。お楽しみはこれからだと門の外へ連れていかれ、「陳紉香は商細蕊に負けた」と大声で言わされる。

新聞には、隆春班が手をまわし、水雲楼を妨害しようとしたと載っており、引き抜いた者の写真が大きく載っていた。街で罵声を浴びる姜登宝。水雲楼が漏らしたと決めつける姜栄寿は、陳紉香が姜家へ恩を仇で返すしたと責任転換し、子孫はうだつが上がらぬと悔しがる。

髪を剃られた陳紉香を見送った細蕊の所へ大家が来た。家賃の催促に来たかと思う一座だったが、北平梨園で一番人気の京劇役者になった細蕊に、ここに住み続けるよう申し出る。契約書を見せ、この建物と土地は全部商細蕊のものになったと説明する。住む場所を確保できたのに浮かない顔の細蕊は、二旦那には一生かけても恩返しができないと呟く。

程鳳台は絡子嶺へ向かっていた。銃声が鳴り響き、グー親分の弟・二親分が現れる。「二親分」と声をかける鳳台に、今は大親分だと手下が教え、鳳台たちを縛り上げる。

程鳳台が身の危険にさらされているとは知らない水雲楼一座は、祝賀会の相談をしている。北平は座長の趙飛燕の話で持ち切りだが、過度に注目されている状況に小来は不安を抱いていた。そこへ鈕さんが今すぐ梨園会館へ来るよう伝えに来る。張祖師の命日は2日後だが、会長が突然供養を早めたという。張祖師とは咸豊年間の大役者・張北斗のことで、商細蕊の父と会長は直系の弟子にあたる。弟子や孫弟子は直系傍系に関わらず参拝する決まりだ。姜栄寿が何かを企んでいると座員たちは心配するが、北平で芸を売る者は逃げられないと細蕊は供養へ向かう。絶対に騒ぎを起こすなと鈕さんが念を押す。不安を拭えない小来は、杜洛城に同行させるよう臘月紅を遣わす。

第15話 揺るぎない抵抗

絡子嶺に乗り込んだ程鳳台は、匪賊·古の弟に人質にとられる。良好な関係を築いていた親分は悪質な古の弟に殺害されており、現れたのは親方の娘で敵味方不明な古大犁だった。一方、祖師の祭祀に参列した商細蕊は、姜栄寿に皆の前でつるし上げられる。だが、跪くはずもなく暴れて抵抗する商細蕊は、とうとう破門となる。

グー親分と話がしたい程鳳台だが、親分は殺されていた。武器も配下も手に入れた二親分の元に、銃が使えないと知らせが入る。鳳台は義弟を開放してくれるなら、銃の弾倉を渡すと相談を持ち掛ける。ずるがしこい奴だと銃を頭に突きつけられるが、グー親分の娘・グーダーリーが戻ってきたと知らせが入り、場に緊張が走る。

法事へ向かう商細蕊と鈕白分を杜洛城が呼び止める。日頃から会長・姜栄寿に不満を抱いていた杜洛城は、今日こそ話をつけるつもりだ。しかし掟で中へ入れるのは張北斗の門人だけと知り、その場で細蕊に弟子入りを志願する。細蕊は弟子入りを許可し、張祖師様の供養に連れ立つ。

師匠たちに挨拶をする細蕊。陳紉香の姿もある。会長は、文人である杜洛城に、ここにいるのは場違いだと告げるが、商細蕊お抱えの杜洛城は、梨園に足を踏み入れているも同然で、しかも細蕊に弟子入りしている。門人として張始祖様に焼香をする。弟子として師の平穏を願う洛城は、会長に不満をぶつける。これに対し会長は、洛城の父・朴翰林の話を持ち出して、洛城を黙らせようとする。道楽者で家業をおろそかにしてきた洛城は、父親にはかなわないと自覚しているが、商細蕊との出会いが洛城に筆を執らせた。細蕊だけが洛城の描く世界観を表現できる役者であり、細蕊以外の人間に台本を書く気はない。細蕊に関する噂をたてるなと洛城にまくしたてられた会長は、朴翰林が寝たきりの状態だと知らせる。これを聞いて細蕊は洛城を見舞いに行かせる。1人になった細蕊に、会長は己の非を認めて地面に額をつけよと命じる。

その頃、人質になった程鳳台は范漣が監禁されている小屋に案内されていた。グーダーリーは、父であるグー親分の敵を討った。絡子嶺の頭になったグーダーリーは、二親分の手下を追い払い、鳳台と交渉する。

梨園会館では商細蕊の衣装について言い合っていた。新演目の衣装は品がなく、伝統を汚し、始祖様の教えに反していると会長が言う。だが、ある師匠は商細蕊の演目を褒め、時代の流れだから京劇の衣装も変化していいと理解を示す。それでも姜登宝は異議を唱える。商細蕊と対決した陳紉香は、衣装が適切か見極めようと名乗り出る。衣装は伝統的な様式とは違うが、進化とも考えられる、と歌う。怒る叔父に、誰が正しいかは天のみぞ知ると歌い、立ち去る。

水雲楼では、座長を心配する一座が相談していた。そこに杜洛城が戻ってくる。なぜ座長を置いてきたのかと責める小来に事情を説明し、必ず座長を守るよう託す。やり方が汚い姜栄寿を許せない座員たちは梨園会館へ乗り込む。

一方の会長たちは細蕊をやり込めようと必死だ。細蕊の趙飛燕は、史実に忠実ではないと否定する。さらに、舞台のことを門外の者と決めるのは師に背く行為であり、身売りの証文を廃して契約を採用するのは梨園の伝統を疎かにする行為だと提唱する。細蕊は、契約制度は理にかなっていると反論。しかし師匠たちは同意せず、身売りの継続を支持する。それでも聞き入れない細蕊に、会長は始祖様の前で3度跪拝すれば今回は許すと言いつける。しかし、細蕊は拒否する。力づくで跪かせようとする会長。細蕊を押さえつけようとする相手を細蕊は次々と倒していく。

会長が細蕊に、今出て行けば二度とここには戻れないと念を押す。帰れなくて構わないという細蕊を会長は破門する。門人の名簿を破り投げつける。しかし細蕊は紙切れなどには屈しないのだった。

絡子嶺では、程鳳台が8年ぶりにグーダーリーと会っていた。グーダーリーは、絡子嶺の掟を決め直すと言い、今後は通行料の2割増しと、助けた報酬に荷の半分を要求。鳳台は断るが、グーダーリーも譲らない。鳳台は一家皆殺しだという脅しにも屈しない。すると外へ連れていかれ、上物の外套が血で汚れないよう脱がされる。手下が銃を鳳台の頭に突き付け・・・

程家では、絡子嶺の親分が殺され、拘束された范漣を鳳台が助けに行ったと范湘児に知らせが入る。湘児は不在の鳳台に代わり、稼業の切り盛りすることにする。程美心は曹貴修を訪ねる。曹司令官が不在の今、兵を動かせるのは貴修だけ。美心は貴修に手を貸す約束をし、兵を出動させることに成功する。

翌日、姜栄寿が手をまわしたのか、でたらめな記事が出回っていた。商細蕊が世間で悪者扱いされている。しかし謝罪すれば会長の思う壺だ。解決策を練っている水雲楼一座に陳紉香が訪ねてくる。

第16話 敗者の絆

商細蕊と同様、姜栄寿に排除された陳紉香。役者として演技の場を失った商細蕊は陳紉香から誘われ、北平を離れる。程鳳台の不在中、范湘児は押しかける者たちの対応に機転を利かせるが、程家を陥れようと裏で手を引く者がいた。一方、人質になったものの一向に殺される気配がない程鳳台。古大犁の目的は別にあったのだ。

陳紉香の来訪に驚く水雲楼一座。陳紉香は張祖師の供養の際、商細蕊をかばったことで、叔父の姜登宝に追い出されていた。陳紉香が叔父への不満を吐くのを聞き、細蕊は驚く。13歳で父を失い、母を養うことになった陳紉香は、叔父には逆らえない。人生はいわば劇だといい、舞台の下でも演じることにうんざりしている。一年の休演期間を上海で過ごすことにした紉香は、細蕊に挨拶に来たのだが、ひょんなことから細蕊も同行することになる。

杜洛城が北平時報社へ乗り込む。コラムを勝手に差し替えられて怒った洛城は、デマを流したと新聞記事を読み始める。失礼を詫びる薛社長に、商細蕊を擁護する原稿を見せる。しかし、新聞の私物化に思えて、読者も喜ばないと一蹴される。

程鳳台が不在の中、范湘児に知らせが入る。店に人が集まり、支払いを求めているという。北平の商人はこれまで程家を妬んできたが、鳳台が殺されたという噂もあり、罠を仕掛けてきたのだ。絹の値が不当だと言う客の返金に応じ、それをもって取引は辞めると伝える范湘児。程家との取引はおろか范家のツテも使わせないと追いやる。鳳台が不在でも、決定権を持つ湘児がいる限り程家は揺るがない。その一部始終を見ていた商会の鄭会長は、脅すつもりだったが完敗だと青ざめる。

一方、程鳳台は死を免れ、手厚いもてなしを受けていた。度胸がある鳳台を気に入ったグーダーリーは床入りを迫る。銃を見せて脅すグーダーリーをやんわりと断るが、グーダーリーは”19歳で南方の客と非凡な子を成す”と易者に言われたことを信じており、鳳台こそがその人だと信じて疑わない。鳳台の服を強引に脱がそうとしていると、麓から攻めてきたと知らせが入る。

グーダーリーの帰りを待つ鳳台。遠くから銃の音とは思えない爆音が聞こえてくる。不安は的中し、グーダーリーが負けたと知らせが入る。軍に敗れたものの、曹師団長は奇襲するような人間ではないと見込んだグーダーリーは、大雪で身動きできない軍隊を引き留める。

商細蕊と陳紉香は上海に行くはずだったが、途中下車して南京にいた。紉香の恋人が上海で待っているが、南京に行きたくなったという細蕊に付き合う。劇場の外で歌に聞き入る商細蕊。見られたら面倒だと陳紉香は落ち着かないが、細蕊は意に介さない。細蕊が歌に合の手を入れると、その声に気づかれ、2人は走り去る。

曹師団長を見初めたグーダーリー。曹師団長こそ我が子の父親にふさわしいと、鳳台に仲介を頼み、交換条件として范漣に会わせることを承諾する。無事、范漣と雷さんと再会できた鳳台。グーダーリーは従来通り荷を通してくれることになり、絡子嶺の件は一旦収束。鳳台はグーダーリーに曹師団長を落とす方法を教える。

舟遊びをする商細蕊と陳紉香。京劇界の者は皆、姜栄寿に従うが、細蕊が歯向かうのは、姜栄寿の態度が気に入らないからだ。義父を見下し、細蕊を捨て子だとバカにする。そんな細蕊に、梨園で才能ある役者は例外なく頑固者で悲惨な末路をたどると紉香が忠告する。舞台の上が一番楽しいという細蕊だが、京劇だけでなく趣味を持ち、心を分けるよう助言する。

曹師団長を鳳台が尋ねる。鳳台が、自分を二旦那と呼ぶのは身内とは思ってないからと言うと、曹師団長は重々しく立ち上がり、身なりを整えて「叔父上」と敬礼する。

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